星を見たがる女子と石焼ビビンパに、僕は火傷した。
熱々と冷たい石焼ビビンパ。なぜこうも「温度」が違ったのか
なんでこの石焼ビビンパは“冷たい”んだ
当たってほしくない時ほど嫌な予感は当たってしまうもので、2週間保留になっていた答えを聞かされた。
答えはNOだった。
彼女は電話ごしに暗い声で、
「今は…付き合えない…ごめんね」
と言った。
女の子はわからない・・・
なるべく悟られないように、努めて明るい声で「そっか」と言った。
僕は精一杯の力を使ってその後1時間くらい彼女と他愛もない話をした後で、また学校でねと言って電話を切った。
席に戻ると冷たくなった石焼ビビンパと、チーズハンバーグを食べ終わった先輩が出迎えてくれた。
冷たい石焼ビビンパはぼそぼそとして全然美味しくなかった。
あの時彼女と食べた石焼ビビンパの方が美味しかった、そう思いながら半分だけ食べて店を出た。
ファミレスを出る頃には時間は深夜0時をまわっていて夜の空には星が広がっていた。
あの時と違う石焼ビビンパとあの時と同じ星空。
生涯で二度しか食べた事のない石焼ビビンパの思い出は火傷の痛みのように鈍く心に残っている。
次回、そんな思い出の味を再現! 必見です。